リアル口コミのパワーはハンパではないという実例
あるショッピングカード会社が行なったアンケート結果がネット記事になり、かなりの注目を集めています。それは顧客サービスに関するアンケートで、『あなたが受けたサービスで不満をもったり不愉快な思いをしたりしたら、他人にそのことを話しますか?』といった設問の回答にありました。
結果は、そう問われた人の8割が、実際に他人にそのことを話したというもの。このアンケートは海外で行なったものではなく、日本の消費者に対して実施されたものです。厳然とした口コミのパワーが実証された形です。アンケート全体では、『期待通りのサービスだった』と回答した人は5割弱。
不満をもった人が残りの5割強で、およそ半数の人が口コミを行ない、早い話が“あの店にはいかないほうがいい”、“あのサービスは良くない、製品は買わない方がいい”と酷評しているのです。また5割強の人の8割が必ずそう言って口コミしているのに対し、期待通り~と回答した人のうち、人にそれを話したという口コミ率は2割程度に留まったという結果です。
顧客サービス調査から見えてくるもの
- 人は良いサービスを受けたときより、悪いサービスを受けたときの口コミ率が圧倒的に高い。
- 人の口から口に伝わる“リアル口コミ”には、ネット上の疑わしい口コミとは違い、圧倒的な信ぴょう性・信頼度がある。
- 口コミをするのは友人知人、会社の同僚など。信頼できる分だけ、それを受けた人はその店には行かない。製品は買わない。
- 店やメーカーの知らないところで、ジワジワとリアル口コミが拡散している可能性は、どんなものでも否定できない。
付け加えておくと、サービスに対する高評価の率は、「調査をはじめてから年々下がりつづけいるのが気がかり」といった一文がレポートにあったことです。おもてなしと高品質で世界的な評価を受けてきた国が、その地位を低下させているのでしょうか。
医療用かつらのメーカーは?口コミはどうなの?
最近、気になることがあります。ネット上の口コミを信じて安易に医療用のかつらを購入し、あとから後悔する人が目立って増えていることです。『日本人は、自分で検証したり裏取りをしたり、言ってしまえば自分で努力する力、考える力が低下している』と話す教育評論家もいます。
医療用かつらを使っている人の率は少ないので、周囲にそのような人(情報源)がいないのも事実。しかしだからと言って、ネットの口コミや人気ランキングで済ませてしまうのは安易すぎるのではないでしょうか。また別の観点では、医療用かつらのメーカーにも問題があります。
真面目に誠実に専用のかつらを制作しているメーカーもありますが、ブランドを用いただけの“名ばかり医療用かつら”が多いことです。ネット上でどのような“好評”を展開しても、いずれはリアルな口コミの力に負けて、改善や市場退場を余儀なくされてしまうもの。
どちらの側から口コミされるメーカーになるのか、できるなら『期待通りだった』という人の噂で、すべての医療用かつらメーカーが高い評価を受けているような未来でありたいものです。寄稿者である私も、抗がん剤卒業までかつらではずいぶん苦しみました。気をつけて、頑張っていただきたいと思います。