マスコミ不信から生まれた口コミにまで不信感が?
買い物をするときは“インターネットで検索をして買うのが当たり前”になってしまった私たちの日常。ホームページばかりではなく、ランキングや口コミ、レビュー、ツイッターまで、個人発信の情報があふれている。
口コミはもともと大宅壮一という作家が、“マスコミではない個人ベースの噂”を指してそう名付けたとされている。マスコミの情報には偏りがあったり、ときには誤報も混じっていたりする。庶民のほんとうの声が届かない。
ある意味で口コミは、こうしたマスコミュニケーションの欠点を補う役割をし、当初は「一般人が使用した率直な感想だから」と絶大な信頼を得ていた。しかし口コミが蔓延し、作為や悪意が混同しはじめてからは、その信頼性も急降下。
いったい私たちは、どこから信頼できる情報をキャッチすればいいのだろうと考え込んでしまう。結局は原点に立ち返って、広告と新聞記事などに頼るしかないのでしょうか。医療用かつらのように、遊び半分ではない製品の場合は?
ただのファッション用かつらなら、口コミにない不具合があっても仕方ないと許せる余裕があるし、悪意的な書き込みにも、試してみなければ分からないと割り切る余裕がどこかにあったりする。しかし医療用はワケが違う。
虚偽横行で、メーカーさえも悩ます情報発信の仕方
情報の獲得を日常的に行なっている専門家やその業界のプロたちは、企業のニュースレリースを使う。また企業がネット上に公開している決算書の中のトピックスなどから最新情報を拾って、裏取りや追跡をしていく。
けれども決算書類やニュースレリースによる公表は、株式市場に上場している企業だけ。上場していない中小の会社や小規模な通販会社は、そのような発信場所をもっていない。自社のホームページと口コミが頼り。
医療用かつらでここ数年人気を獲得している通販会社では、“逆にどうすれば真実が伝わるのか”と頭を悩ませているという。マスコミや口コミが信用されないなら、無料で試着してもらって、実際に体感してもらうしかない~。
情報ゲットの仕方に苦慮する利用者がいる反対側で、真実の情報発信の仕方に悩む企業もある。ときにはそれが“無料試着”というように事業スタイルまで変化させてしまう。利用者にとって有り難い現象でも“情報のあり方”は置き去り~。
賢明な情報入手の仕方と医療用かつらの選択
- 信頼できる情報源に悩んでいる方は、署名入りの記事を書くことが前提の新聞記事を参考にすべき。
- 最近では、新聞記事でないネット企業発信のニュースなどでも、書き手の名前を表示している会社が増えているので参考に。
- 社会的に有名なメーカーブランドであれば、ニュースレリースも定期発信している。企業監視や株主の目があるので嘘はつけない。
- 医療用かつらのように買ってしまって後戻りできないものは、通販の無料試着を活用して、とことん試すしかない。
究極は作為的な口コミや人気ランキングに踊らされない“賢い消費者”が増えること。そして、そのような虚偽の情報を退場処分に追い込み、悪意のない口コミを増やしていくしかないのでしょう。
医療用のかつらと口コミ?ほんとうに欲しい情報は何なのか、どうすれば情報に踊らされず、失敗や後悔のない買い物ができるのか、立ち止まって熟慮すべき時なのかもしれません。