もし知っていたら、口コミのネタにされなかったのに
ある女性タレントさんが、TV番組に出演していました。40代半ばの女優さんで、最近ではタレントとして活躍されている方です。
年齢からして仕方のないことですが、その方の頭が、かつらを被っていることが丸わかりの状態だったのです。すると放送日翌日の口コミには、「アレって、かつら丸わかりでしょ?女優なのにちょっと自分の頭には無神経すぎ」、「どうせなら、ど派手なイケイケでやったらいいのにババくさ!」などという書き込みがつづいていました。
相当あとになってわかったことですが、その女優さんは、がんの告知を受けていて、どうも脱毛を隠すためのかつらだったようです。
それが医療用かつらだったのかファッション用だったのかはわかりませんが、芸能人だからといって口コミやツイッターで誹謗中傷するのは、人間として恥ずかしい行為です。
私も抗がん剤治療で医療用かつらのお世話になるまで知りませんでしたが、人間の毛髪というのは、単色でできているのではないそうです。
何色もの色が複雑に混ざり合っていて、それが立体的な陰影をつくりだしているのだそうです。絵画の世界でも、深みや立体感のある風景を描くときは複数の絵の具を用いるように、人間の髪の毛も、高価で価値の高いかつらになると、微妙に色のトーンが異なる複数の毛色を使い、グラデーションがかかるように仕上げるのだそうです。
もしそのことだけでも知っていたら、あの女優さんも口コミのネタにはされなかったでしょう。
かつらだとバレてしまう3つのポイントに注意して購入
人がかつらを被ったときに、かつらかどうかがわかってしまうポイントは3点あります。
1つはいまお話しした、髪の色が単色かグラデーションか。もう1つは、髪全体にふんわりしたナチュラルな持ち上がりがあるか、そして3つめが、かつらにできたつむじの形と髪の流れが自然かどうかです。
自然に見えてかつらだとわかりにくい医療用かつらポイント
- 髪の色が単色ではなく、いくつもの色が混ざり合っている。それがほどよい配合で、グラデーションがかかり、立体感を生み出している。
- 髪がほどよい太さで密集しすぎず、髪と髪のあいだに隙間がある感じ。それが人間の髪そのもののように、ふんわり、やわらかさまで感じさせてくれる。
- 人間の頭のてっぺんには丸く地肌が見えるようなつむじがあります。手植えでないとその自然なつむじ状態はつくれません。職人さんの手植えが必要です。
さらに医療用になると
通気性において、よりすぐれた性能が求められます。
たとえば6角ベースネットの立体成型(アンベリール「シルフィ」)のように、持ち上げ効果によってふんわりとした髪の形ができ、型崩れしにくく蒸れない工夫も求められます。気をつけましょう。