口コミは最初からウソだと思って接した方が良い
口コミにおける注意ポイントが消費者庁のサイトでも盛んに紹介されるようになりました。幸いにして一般用のかつらや医療用かつらに関する詐欺行為はないものの、真偽が問われるような口コミはたくさんあります。
口コミとは本来、その商品やサービスを利用した人の感想なので、使ったことのない人が、体験者を装って書き込みをするのは詐欺行為に相当します。訴訟沙汰にならないので表面化しないだけ~。
目に見えて、それが横行して、社会問題化されないと注意深くなれないというのでは、ネット社会で平穏無事に暮らしていくことはむずかしいというのが、いま私が抱いている1つの結論でもあります。
たとえば競合する他社の商品を誹謗中傷することで、自社を優位に立たせようとする書き込みや口コミもあります。薄々そんな口コミもあると気づいている人も多いでしょう。この類いの書き込みは、極めて悪質なものです。
その口コミをそのまま信じてしまって、「だから私は高価でもこの医療用かつらを買った」というのでは余りにもお粗末。自己防衛とか、ネット情報の裏取りの必要性とか、あるいは徹底比較主義といった基本を身に付けるべきです。
ネット情報に接するときの基本4原則
自己防衛
ネット情報や口コミ、人気ランキングなどは、“信じることより疑うことを基本にした向き合い方”をすべき。
裏取り
とくに医療用かつらなどは自分の今後を大きく左右する製品なので、口コミにある情報は、いくつものサイトを検索して真偽を確認すべき。
徹底比較主義
一般のかつらにしても医療用かつらにしても、その1点しか製品がないわけではない。口コミに“人気”とあっても、人気と品質や機能性は無関係。
相談
とくに高価な買物は、決めてから購入に踏み切るまで3日間の熟慮期間を設けた方が良い。その間に、友人や詳しい人にも相談すべき。
悪質で卑劣な口コミほど実名入りで根拠がない
1年ほど前になりますが、いい加減な口コミの氾濫や、他社を誹謗中傷する口コミが増加するネットの現状を憂い、「そもそも自社の製品が最初から利用者本意の製品開発をしていれば、独自性は必然的に出てくるもの。そうならないのは、企業姿勢そのものに問題がある」とするIT会社CEOのコメントもありました。
口コミにある悪質な事例
- 誹謗中傷するメーカー名がイニシャル表記されているが、前後の文章から明らかに特定できる内容になっている。
- 「数回使ったらボロボロ」とか、「高額な医療用かつらを買わされた。お金を返してほしい」などと過激な書き込みなのに証拠や根拠がどこにも示されていない。
- 人気ランキングで1位と書かれてあったのに、ランキング1位のサイトや実績はどこにもなかった。
- 「高いだけで品質はサイテー、サービスは最悪」とコメント。ほぼ実名で店名まで書いているのに、“どのように”という具体性がまるで記されていなかった。
企業が広告代理店に依頼して、ニセモノの口コミを大量に発信させるやり口は、いまでは周知の事実として受け取られています。悲しいことではありますが、だからこそネット情報を安易に信じない姿勢が大事なのです。